将棋ブログ「続ピリ将」
将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法
実戦詰将棋(増田・神谷戦)
いつもは自戦を取り上げていますが、今回はプロの対局から。
あまりにも印象深いので。
ご存知の方も多いかと思いますが、この局面です。
手番は、後手番。
順位戦C級2組の増田康宏五段・神谷広志八段戦から。
この対戦は、増田五段の昇級がかかった大一番。
増田五段は、藤井聡太六段に29連勝を許した天才棋士。
米長語録にあるように、棋士は相手の大一番で本気を出す。
藤井聡太六段に破られたものの、神谷八段は28連勝記録の保持者。
まさに因縁の、そして白熱の対局となりました。
まず、最初の試合は、千日手。
千日手とは、引き分け。
少し休憩をとった後、すぐに指し直しになります。
「後日やり直すのではないの?」と、家人の声。
「ノン。徹夜になることもあります。」
指し直した結果、迎えたのが図の局面。
ここでの神谷八段の差し手は、いかに?
なんと「投了」。
将棋は「負けました」と言って、終了するゲーム。
しかし、ここでは詰みがあったというから、事件。
つまり、本当は神谷八段の勝ちだったのです。
神谷八段は勝ちだったのに、「負けました」と言ってしまいました。
ボクシングに喩えましょう。
相手がKOされてマットに沈んでいるのに、タオルを投げちゃったみたいな。
ちなみに、両者とも、この詰みには気づいていなかったといいます。
とはいうものの、有段者なら、それほど難しい詰みではありません。
長い死闘の末だから、そして人間だからこそ起こったドラマなのでしょう。
もしまだなら、皆さんも、正解を考えてみてください。